伊勢原市の日向林道に冬鳥の「マヒワ(真鶸)」の大群が越冬中。二十~三十羽の群れがグループごとに森を周回。林道のハンノキは、小さな黒いハンの実が大きな黄色の花に大変身 !!

 今年は、都会の都市公園まで「マヒワ(真鶸)」が入ったという情報をよく聞きます。管理人の地元でマヒワの撮影できる撮影スポットは、伊勢原市の日向林道が良く知られています。この林道には四季をとおして多くの野鳥たちが渡来し、野鳥撮影家を楽しませてくれます。管理人は、一年ぶりに日向林道を訪ねて見ました。

 

 日向林道は、丹沢・大山連峰の東麓にあり、日向山から大山へのハイキングコースとして登山家たちの間では人気のスポットのようです。大山登山には林道の途中から入り、九十九曲がりを経由して雷ノ峰尾根を進む日向越えがあります。林道の手前には、ハイカーや林道を楽しむ人たちのために無料の駐車場が用意されています。

 

 林道沿いに桜の木やハンノキが自生しており、この時期は時々ウソが桜の新芽を食べているのに出くわします。林道を進むうち野鳥の一群がハンノキに群がるのが見えました。黒い小さなハンの実が黄色の大きな花を付けたように変身し、花がどんどん崩れていきます。花の正体は、久し振りに出会った「マヒワ(真鶸)」の群れでした。しかもこんな大群に出会ったのは初めてです。おそらく二十~三十羽はいたでしょうか。観察すると林道周辺では、2~3グループの大きな群れが飛び交っており、ハンノキや杉の木にリーダーが止まると次々と舞い降りて採餌をしたり、離れたりを繰り返していました。

 

 「マヒワ(真鶸)」は、スズメ目アトリ科に分類される野鳥ですが、体長は12~13センチメートルでスズメよりも小さな野鳥です。メス、オス共に黄色の体色をしており、メスは淡い黄緑色で腹と背に縦縞の黒線が入り、オスは明るい黄緑色をしています。管理人は調べるまで知らなかったのですが、色の種類に「ヒワ色」があり、野鳥のヒワから付けられたとのことです。因みに「マヒワ(真鶸)」の漢字は、真と鶸からなり、「鶸」の字は、「弱と鳥」を組み合わせて「鶸」と書き「ひわ」と読みます。これは飼っていると直ぐ死んでしまう弱い鳥の意味で、「マヒワ(真鶸)」の由来とのことです。

 

 「マヒワ(真鶸)」は、ヨーロッパ北部とアルプス山脈、中国北東部やウスリーで繁殖し、冬季はアフリカ大陸北部やヨーロッパ、中国東部、日本、朝鮮半島などに渡って越冬します。日本は北海道や本州北部で留鳥となっており、夏には繁殖が

あるとのことです(☆)。マヒワは日本だけでなく世界の殆どの国で見ることができる野鳥なのですね。

 

 「マヒワ(真鶸)」の食性は、植物食で植物の種子や芽、植物の葉、植物の実、昆虫類を食べます。松ぼっくりの実などを小さなクチバシでこじ開けて種子を食べます。非繁殖期は群れで生活しており、単独の行動はありません。なお、繁殖期になると番(つがい)になり、樹の上に小枝を組んで巣を作ります。卵は、5~7個産み、抱卵から孵化して巣立つまでの期間は約一か月です(☆)。野鳥の子育ては一回だけではなく、子育てが終われば繁殖期の期間中は何回でも行われます。今年、日本へのマヒワの渡来数が大変多いのは、繁殖地での子育ての気候等色々な条件が良かったからでしょうか。

 

 日向林道の「マヒワ(真鶸)」は、3月頃まで楽しめます。野鳥の行動は午前中、特に朝方が活発です。これから日、一日ごとに日の出も早くなりますので、野鳥の観察がし易くなります。大きな群れなので警戒心は小群よりも強くなり、小さな異変で直ぐ飛び去ってしまい、シャッターチャンスを失ってしまいます。観察していると群れは周回していて、気に入ったスポット、例えば直前まで食べていたハンノキなどには戻ってくる可能性が高いので、動き回らず待っていることをお勧めします。

 

注) ☆印は、Webウィキベディアのマヒワの解説を参照しました。一部、PePy 、ペットライフ情報メディア参照。

撮影場所;神奈川県伊勢原市 日向林道

撮影日;2021.2.06