久し振りに訪ねた宮ケ瀬奥の早戸川林道、昨年は会えずじまいの赤い鳥、「ベニマシコ(紅猿子)」に今季初めての出会い。

 春の陽気は三寒四温、昨日の雨は明け方に上がり、お昼前には暑くて上着を脱ぐほどの暖かい一日でした。久し振りに、宮ケ瀬の森の奥の早戸川林道を訪ねました。実は昨年の晦日、年内最後の赤い鳥を撮影に同林道を訪ねたのですが、何時もは顔を見せてくれる冬鳥の「ベニマシコ(紅猿子)」が全くの音沙汰なしでした。渡りが途切れてしまったのでしょうか。

 

 管理人が野鳥に興味を持ち始めたころの宮ケ瀬の「ベニマシコ(紅猿子)」は、林道の斜面に生えるタデの実がたわわに実り、それを啄みに群れになって押し寄せ、何グループかの群れが次から次へと来るため、待つことなく撮影できたものでした。それが2年前くらいから渡来する個体数が激減してしまったのです。鳥さん仲間の情報では何羽か入っているようだと聞いていたのですが、管理人は本日まで確認できませんでした。

 

 当時野鳥撮影を始めた頃、初めての赤い鳥にそしてその美しさに魅了され、我を忘れてシャッターを押したものです。その感動が再び蘇り、イヌシデの枝に止まり新芽周りの小さい実を啄む「ベニマシコ(紅猿子)」のオスを、夢中になって撮影してしまいました。斜面でチリチィチョ、チリチィチョと囀っていましたので、近くにはメスがいるのかも知れません。

 

 Webのウィキベディアの情報では、「ベニマシコ(紅猿子)」はどこの国でも見られるわけではなく、日本や中国、カザフスタン、北朝鮮、韓国そしてロシアだけのようです(☆)。日本では夏鳥として北海道や青森県下北半島で繁殖し、冬鳥として本州以南に渡り越冬します(☆)。ヒレンジャクもそうでしたが、繁殖はその年その年の気象条件に左右され何とも言えませんが、今年こそ家族を増やして戻って欲しいものです。

 

 「ベニマシコ(紅猿子)」は、スズメ目、アトリ科ベニマシコ属に分類されます。和名の紅猿子(ベニマシコ)の「紅」は体色の赤を表し、「猿子」は猿のように顔が赤いことに由来します。生態として、繁殖地では低木が点在する草原や湿原、低木林などで生活し、繁殖時期は、5月から7月です。越冬期(10月から4月)は丘陵や山麓の林縁そして草原、河原などで生活します。繁殖地では、地上や樹上で昆虫を採食し、越冬地ではイネ科やタデ科の草の実を啄みます(☆)。宮ケ瀬に来ている「ベニマシコ(紅猿子)」は、イヌシデの新芽周りの小さな実も啄んでいました。

 

 もう直ぐ渡ってしまう「ベニマシコ(紅猿子)」に会えたのは本当にラッキーでした。余談ですが管理人の目標に、同じ「猿子」の仲間として「ハギマシコ(萩猿子)」と「ギンザンマシコ(銀山猿子)」を撮影したいと考えています。知人からの情報では、「ギンザンマシコ(銀山猿子)」は北海道の旭岳に生息しているとのことです。新型コロナ感染症の外出自粛で撮影旅行が難しい毎日、一日も早い感染収束を願うばかりです。

 

注)ウェブ版ウェキペディアのベニマシコの項目を参照しました。 

撮影場所;神奈川県相模原市緑区鳥屋 早戸川林道

撮影日;2021.3.06