南の暖かい国で越冬していた「キョウジョシギ(京女鴫)」の群れが、長井海岸に到着。すっかり夏羽に変身し、途中休憩の岩場で栄養補給。繁殖地の北の大地にもう直ぐ。

 先月の終り、三浦半島の西海岸になる長井漁港周辺を訪ねましたが、例年に増して40羽以上のチュウシャクシギの群れを確認しました。その後の様子を見るため、再び長井漁港周辺の岩場を訪ねてきました。この時期は、暖かい地域で越冬していたシギチ類が渡りの途中で羽休めに飛来します。

 

 現地に到着して岩場に目を向けると、岩の上ではキョウジョシギとキアシシギが仲良く佇んでいました。「キョウジョシギ(京女鴫)」や「キアシシギ(黄足鴫)」は、越冬地である南の国から繁殖地である北の大地への渡り途中で、羽休めするため長井海岸に立ち寄って行きます。春のこの時期と越冬地へ向かう秋の二回、観察することができます。春は、繁殖地へ向かう途中なので、名前のとおり京女の着物をまとった様なカラフルな夏羽に変身しています。キョウジョシギやキアシシギの繁殖地や越冬地は同じ地域なので、推測ですが、両者は一緒に飛来してきたのかも知れません。

 

 「キョウジョシギ(京女鴫)」の繁殖地は、ユーラシア大陸北部と北アメリカ北部のツンドラ地帯で繁殖し、冬季は南アジア、南アメリカ、アフリカ、オーストラリアなどに渡り越冬します。日本には旅鳥として春と秋の二回、渡りの時期に多数飛来します(☆)。「キョウジョシギ(京女鴫)」の体長は、約24センチメートルでキアシシギとほぼ同じくらいの大きさになります。クチバシと足が短く、ずんぐりした体形でチドリのような外見をしています。足の色は橙色で腹は白く、胸と頭に黒い模様があります。到着している個体は、繁殖を前にして夏羽に換羽しており、背中は鮮やかな茶色と黒のまだら模様になっています。冬羽は越冬地に渡る8月以降に見られ、頭と背中が茶色で鱗のような模様になります。管理人が2018年10月に撮影した、冬羽の姿を掲載します。

 

 非繁殖期は、干潟、岩礁、水田などに生息し、数十羽の群れを形成します。水辺の小石、海藻などをクチバシでひっくり返して餌を捕ります。小さな昆虫やゴカイ、甲殻類を捕食します。ツンドラ地帯の地上で営巣し、3から4個の卵を産み、オスとメスが協同で子育てします。羽休めをしていたキョウジョシギは、6から7羽の群れで、岩礁付近の水際で採餌していましたが、砂浜にどんどん近寄づき餌を捕っていました。

 

注)      ☆印は、Webウィキペディアのキョウジョシギを参照し、その中から一部を引用させて頂きました。 

撮影場所;神奈川県横須賀市長井 長井漁港周辺

撮影日;2021.05.16

※越冬地を渡る前に冬羽になったキョウジョシギ。

撮影場所;神奈川県平塚市 平塚新港

撮影日;2018.10.20