平塚の葦原に夏鳥の「ヨシゴイ(葦五位)」がカップルで渡来。早くも営巣を開始し、葦原から近くの川や田圃で採餌する恋の相手に鳴き声で呼び掛け。

 平塚の葦原には今年も忘れず「ヨシゴイ(葦五位)が渡来しました。毎年、何羽かの雛を育て上げ、冬に入る前に越冬先に帰っていきます。詳しいことは分かりませんが、越冬先の東南アジアのいずれかの国から飛来してきたものと思われます。

 

 ヨシゴイの分布は、フィリピン、ベトナム等の東南アジア諸国とインド、スリランカ等南アジア地域の一部そして北アジアのロシア、日本を含む東アジアと広範です。日本には繁殖のため夏鳥として飛来してきます(☆)。

 

 ペリカン目、サギ科、ヨシゴイ属に分類され、全長は31~38センチメートル、翼を広げた時は53センチメートルでサギの仲間としてはやや小さめです。上面は褐色、下面は淡黄色の羽毛に覆われ、羽根の袖が濃紺色です。クチバシはオレンジがかった黄色、虹彩も黄色です。雄の場合、頭の上が濃紺色をしており雌と異なります(☆)。

 

 湿原、湖沼、水田で生息する他、和名の由来ともなっている葦原で単独またはペアで生活します。食性は動物食で魚、カエルなどの両生類、昆虫、ザリガニなどの甲殻類を食べます(☆)。

 

 餌を見つけると、ササゴイの様に移動せずに首を長く伸ばし、一瞬のうちに餌を捉えてしまうのが妙技です。葦原の隣は水田になっており、6月の後半になると稲の株も大きく育ち、オタマジャクシも増えてきます。この頃、ヨシゴイは抱卵時期に重なり、手っ取り早く水田に入りオタマジャクシなどを捕って食べており、生まれた雛に直ぐ与えています。狩りの仕方は巧妙で、胴体を隣の列に置いて、件の首を稲株の間から突き出し、標的を見つけるや首を長く伸ばして素早くゲットします。大物ではありませんが、百発百中の狩り上手、かなりの量を食べているようです。

 

 今年やってきたヨシゴイは警戒心はあるものの比較的人に慣れている感じがします。葦の梢の先端で擬態を見せたり、滑空もして楽しませてくれます。 これまで、横から羽を広げた写真を撮影したことはありますが、飛翔を上部から撮影できたのは初めてで、葦原の上を濃紺の袖を全開にして飛ぶ姿には魅せられます。

 

注)☆印は、Web版ウィキペディアのヨシゴイの解説を参照及び一部引用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市岡崎

撮影日;2021.6.12

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コメント: 5
  • #1

    okome (日曜日, 13 6月 2021 20:17)

    初めまして。いつもブログを読ませて頂くのを楽しみにしています。

    昨日私もあそこに写真を撮りに行ったのですが、私が撮った写真と同じように稲に朝露が付いているので、ヨシゴイやヒクイナが出て来る度に教えて下さった方だと思いコメントさせて頂きます。

    観察眼が並の人とは違う気がして〈仙人〉に会ったような気分で帰宅しましたが、お陰様で写真が撮れました。有難うございます。

  • #2

    鳥の響宴管理人 (日曜日, 13 6月 2021 23:40)

    okomeさん、この度は暖かいコメントをありがとうございます。

     ブログ歴は三年になりますが、知り合い以外からコメントを頂いたのはこれで三件目になります。このブログ、何人の訪問者がいるか分かるのですが、一日平均6人から7人ですので押して知るべしですよね。大変マイナーなブログです。

     そんな状況ですので、今回のコメントには大変感激しております。ただ気になるのは、okomeさんの書き込みに野鳥の出る度に教えてくれた人とあり、私は教えてもらう方でしたので私で良いのかなと思っております。私は、okomeさんが到着した時、カメラの操作方法の質問を受けた者で、撮影には三脚と口径の大きいレンズを使用していた者です。

     お互いに早起きは三文の徳でしたね。お陰様で、朝露のついた早苗や葦原の上を飛翔するヨシゴイの写真を撮ることができました。またお会いした時には宜しくお願いします。ありがとうございました。

     


     

  • #3

    okome (月曜日, 14 6月 2021 12:27)

    えーッ��‼️

    あそこでヨシゴイを見て私が発した言葉でお分かりかと思いますが、考える前に身体が動き口が動き・・・早とちり・勘違い・思い込みの人間なのでm(_ _)m。

    でも教えて頂いた+補正で、ヨシゴイを撮る事が出来ました。有難うございます。最初にオオヨシキリを撮ろうとしてファインダーを覗いたら、真っ暗なのでどうしようかと思いました。

    鳥を撮り初めて一年ちょっと。知らない事だらけな上、コンデジの扱い方もイマイチ良く分からないま記念写真のblog〈okomeの野鳥日記〉を2月から始めました。

    いつ迄続けられるかと不安を感じながらですが、疎遠になった友人達に近況を知って貰えればと思い書いています。宜しければ、あの時のヨシゴイの写真見て頂けますか?

  • #4

    鳥の響宴管理人 (月曜日, 14 6月 2021 21:24)

    今晩は。okomeさん返信ありがとうございます。

    ブログ、早速見せてもらいました。コンデジ、侮れません。普通、稲の細かい葉にピントが食われて解像しないのですが、葦五位にピントが合って素晴らしいです。ブログの文章もわかり易くて良いですね。私は、撮影技術が駄目なので、せめて文章でカバーできればと思っていますが、独りよがりで反省点が多いです。

    次回お会いできるのを楽しみにしております。

  • #5

    okome (火曜日, 15 6月 2021 22:43)

    『私の性格を知っている人だけが見てくれている』と思い込んで甘え〈ボケた写真も載せてしまっているお恥ずかしいブログ〉に居心地が悪くなる程のお言葉、有難うございます。でもコンデジって進化してますよね。

    ブログ読ませて頂く度に『これだけの文章を書くのは大変だろうな』と思いながら学習させて頂いています。写真も素敵です。

    もう少しするとシギのシーズン。田んぼでお会いするかも知れませんね。