旅鳥として日本に立ち寄る、絶滅危惧種Ⅱ類の「オオソリハシシギ(大反嘴鴫)」が三羽、ふなばし三番瀬の干潟で渡りの準備。

 久し振りに千葉県はふなばし三番瀬海浜公園を訪ねました。この季節、珍しい渡りのシギチ類が休耕田や干潟に立ち寄り、野鳥カメラマンを楽しませてくれています。同公園には、「よっちのバードフォト」ブログを拝見する中で、表題の「オオソリハシシギ(大反嘴鴫)」が入っていることを知り訪ねたものです。

 

 「よっちのバードフォト」ブログの主宰者は、千葉県船橋市の「ふなばし三番瀬海浜公園」を中心に東京都や茨城県周辺を活動範囲として、旬の野鳥をブログにアップされており参考にしています。野鳥撮影を始めた頃は、近隣の公園が撮影の中心で、慣れるに従い徐々に行動範囲を広げていきました。「ふなばし三番瀬」はそのうちの一つで、最初の印象は、まさに野鳥の宝庫、野鳥の楽園に足を踏み入れた感触でした。広大な干潟には、名前の分からない沢山の野鳥が飛び交い、そして舞い降りてきては一斉に採餌を繰り返しているのです。大変な驚きでした。野鳥撮影歴二年目となる、2018年の夏にその存在を知り初めて訪ねました。

 

 オオソリハシシギは、反り返った大きなクチバシを持ち、漢字の表記は「大反嘴鴫」と書き、和名の由来になっています。日本には旅鳥として春と秋に全国に渡来します(☆)。ユーラシア大陸北部からアラスカ西部の北極圏で繁殖し、冬季はヨーロッパ西北部からアフリカ、西南アジア、東南アジア、オーストラリアの沿岸部に渡り越冬します(☆)。

 

 「オオソリハシシギ(大反嘴鴫)」の全長は39センチメートルで、ハマシギやダイゼン、トウネンなどと比較すると大きな部類になります。翼を広げた長さは、70から80センチメートルになり、メスの方がオスよりも少し大きくなります(☆)。和名の由来どおり、クチバシが長く上に反っており、クチバシの基部は桃色で、先端に行くほど黒くなります。足は黒くて比較的長い部類です。成鳥の冬羽根は雌雄ともに体の上面は灰褐色で、顔から胸にかけ淡い褐色、体の下面は白色をしています(☆)。

 

 「オオソリハシシギ(大反嘴鴫)」は、非繁殖期には干潟や河口の砂州、砂浜に生息します。内陸部には行かないとのことで、干潟でしか観察できないシギチ類となります。非繁殖期には群れを形成して生活し、繁殖期はツンドラや湿地に生息しています(☆)。ふなばし三番瀬には、三羽のオオソリハシシギが群れで行動しており、アサリなどの貝類やゴカイを採餌していました。この他、甲殻類や昆虫類も捕食します(☆)。繁殖期は6から7月で、地上の窪みに枯草などを敷いて営巣を行います。卵は4個産み、抱卵日数は19~21日で、メスが抱卵します(☆)。

 

 環境省のレッドリストでは、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている野鳥で、チドリ目、シギ科に分類される野鳥です(☆)。オオソリハシシギは、日本で羽休めをして越冬地まで一万キロの道のりをほぼノンストップで渡って行くとか? 沢山食べて元気に旅立って欲しいものです。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのオオソリハシシギの解説を参照し、一部引用させて頂きました。

撮影場所;千葉県船橋市 ふなばし三番瀬海浜公園

撮影日;2021.9.06