平塚の休耕田に旅鳥の「タカブシギ(鷹斑鷸)」が二羽仲良く立ち寄り、人の接近には警戒音を発しながらの採餌行動。

 コロナ感染症の拡大を防ぐ緊急事態宣言は、またもや延長されてしまいました。外出自粛の中での野鳥撮影は何とも気が引けますが、渡り鳥の撮影は滅多にない機会、今日は台風接近前に平塚の休耕田を回って見ました。年々、休耕田は減少を続けていますが、その中の一つに、渡り途中の「タカブシギ(鷹斑鷸)」が二羽、餌を啄んでいるのを確認しました、

 

 毎年、タカブシギを撮影していますが、今回の休耕田は二面が直線に抜けて、自由に往き来できるため、元々警戒心の強い野鳥でもありなかなか近寄ってくれません。それでも気長に待っているとある程度までは近づいてくれました。タカブシギの学名は、Tringa glareolaですが、glareola小石原の意味で、背中の羽根の模様が小石の様に並んで見えることで名付けられたとのことです(☆)。和名の鷹斑鷸・タカブシギは、鷹の紋様に似ていることに由来します。

 

 タカブシギは、ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季はアフリカ、インド、東南アジア、ニューギニア、オーストラリアなどに渡り越冬します(☆)。日本には旅鳥として春と秋、渡りの時期に全国的に渡来し、関東地方以南では少数が冬鳥として越冬する個体もいます(☆)。平塚市の休耕田では、管理人が野鳥撮影を始めてから毎年秋の渡りを確認しています。

 

 タカブシギは、体長20~22センチメートルでやや小柄な方になり、夏・冬で羽根の色が変わります。繁殖期を除いて数羽から数十羽単位で群れを作り行動しています(☆)。タカブシギは、国際自然保護連合(IUCN)でレッドリストの軽度懸念に指定を受け、日本では環境省のレッドリストに絶滅危惧種Ⅱ類の指定を受けています。

 

 野鳥を観察していて感じることは、年々休耕田の数が減少しており、渡りのシギ類の羽を休める場所が少くなっているのが心配です。野鳥が安心して住める農地環境は、私たちも安心・安全な食べ物を受け取るということに繋がると思います。減反政策が無くなり休耕田が少なくなってきている現在、野鳥保護の観点から生息環境を守る取り組みができないものでしょうか。

 

注) ☆印は、Webウィキペディアのタカブシギの解説を参照し、一部引用させていただきました。

撮影場所;神奈川県平塚市 休耕田

撮影日;2021.9.14