今年もこども自然公園に群れで到着した「キンクロハジロ(金黒羽白)」。群れの中には昨年の個体か? 珍しい「クビワキンクロ(首輪金黒)」が一羽、仲間に交じって遊泳。

 横浜市の都市公園の中でも一番大きな「こども自然公園」、地元では通称「大池公園」と呼ばれ親しまれています。この公園のほぼ真ん中に、名前とは裏腹なそれ程は大きくない池があり、そこには毎年冬鳥の「キンクロハジロ(金黒羽白)」の群れがやって来て来園者を楽しませてくれます。

 

 この池に、昨年も来てくれた珍しい「クビワキンクロ(首輪金黒)」が来ていると、野鳥ブログ「風のむろさん掲示板」で紹介されており、早速、管理人も訪ねて見ました。こども自然公園は、相鉄線の二俣川駅や南万騎が原駅からも歩ける距離にあり、自然がたくさん残る大きな公園です。ほぼ中央に池が二か所あり、この辺りの地名は大池町と呼ばれています。キンクロハジロの群れは奥の方の池で、数人のカメラマンが池にカメラを向けていました。

 

 「クビワキンクロ(首輪金黒)」は、Webウィキペディアの解説では、北アメリカ大陸中部で繁殖し、冬季になるとアメリカ合衆国、メキシコ、西インド諸島に渡り越冬するとのことです(☆)。日本には、40年くらい前、1977年に不忍池で確認されたのが最初で、それ以来何例かづつ確認されており(☆)、渡来する数は少なく珍鳥の部類に入るようです。クビワキンクロの生態は、内陸にある沼地に生息し、水面上で水草や甲殻類、水生昆虫などを食べ、傾向としては植物質の強い部類です(☆)。名前の由来である「クビワキンクロ(首輪金黒)」の首輪は、泳いでいるときは見えませんが、羽ばたきをして首を伸ばした時に白い輪が確認できます。

  

 一羽のクビワキンクロは、20羽から30羽いるキンクロハジロの群れと一緒に行動しており注意しないと全く見分けがつきません。昨年もそうですが、一羽のクビワキンクロを見つけ出した方は表彰ものです。この池のキンクロハジロの群れは、来園者から餌をもらえることを知っているのか、人が鉄柵に近づくと一斉に寄って来ます。来園の親子連れが、パンの耳と思われる物を投げ与えると、一斉にそちらに向かって進み、奪い合いが始まります。実は、パンは思いのほか塩分を多く含み、高血圧の心配があります。白鳥が渡来する宮城県の伊豆沼では、味噌汁などに入れる「麩(フ)」を詰めた物を餌として販売しています。冬場は餌が少なくなるので、塩分の少ない「麩」は野鳥にとってありがたい食糧です。野鳥を愛するものとして、野鳥に安心・安全な食糧の提供ができないものか検討が必要と思われます。

 

注) ☆印は、Webウィキペディアのクビワキンクロの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;横浜市旭区 こども自然公園

撮影日;2021.11.08