横浜市戸塚区の舞岡公園に、冬山の忍者「ヤマシギ(山鷸)」が三羽、元気に越冬。林の奥で木とんの術を使い枯葉に同化、野鳥CM達を翻弄。時おり体を揺らし、枯葉の中に長いクチバシを差し込んでミミズをゲット。

 新年を迎えてあっという間に二週間が経とうとしています。2022年の初(はつ)鳥撮りは済んだでしょうか。管理人は、久し振りに戸塚区の舞岡公園を訪ねました。この公園には、いつもマイカーで行くのですが、湘南台から横浜市営地下鉄のブルーラインに乗り舞岡駅から徒歩で訪ねました。

 

 舞岡公園は30ヘクタールを越える広大な谷戸の中にあって、動植物に配慮した自然環境を壊さない取り組みがされており、横浜市民の憩いの場になっています。公園の中心部に入るには、それぞれの場所から木戸でできた三つの門を潜らないと入れない仕組みで、犬などペットの持ち込みは禁止されています。一歩足を踏み入れればそこには昭和初期の田園風景が広がり、昔ながらの古民家や水車小屋に懐かしさを覚えること間違いありません。

 

 この公園には冬季になると冬鳥の「ヤマシギ(山鷸)」がやって来る、と教えてもらったのは管理人が野鳥撮影を始めたばかりで、彼是8年前になります。「ヤマシギ(山鷸)」は、撮影の現場で2年目の冬、隣で撮影するカメラマンに照準を合わせてもらいやっと撮影することができました。場所を教えてもらっても全く判別できないのです。枯葉と同じ絶妙な保護色には、「ヤマシギ(山鷸)」が「山の忍者」と呼ばれる所以が良く分かります。そんな手強い「ヤマシギ(山鷸)」撮影ですが、今年は少し状況が違います。今年逗留中の「ヤマシギ(山鷸)」は、何と三羽も入っているのです。この三羽は仲良しで、行動を共にしていますが餌を捕る時は別行動をしています。当然餌捕りに夢中になるのでフライングが期待できます。「ヤマシギ(山鷸)」の視野角は、目が頭の後ろに付いていて360度をカバーしているそうです。これまでよりも近づいてくれましたが、なかなか警戒心は強そうです。

 

 「ヤマシギ(山鷸)」の世界的な分布は、夏にユーラシア大陸の中緯度地域で繁殖し、冬季はヨーロッパやアフリカの地中海沿岸やインド、東南アジアなどに渡って越冬します(☆)。日本では、北海道では夏鳥、本州中部以北(中部東北地方)と伊豆諸島で留鳥、西日本では冬鳥です(☆)。舞岡公園には、冬鳥として渡来し、3月頃まで逗留し、初夏の前に繁殖地に渡って行きます。

 

 体長は、約35センチメートルでハトくらいの大きさになります。クチバシは長くて真っすぐで、目は頭の中心より後方上部に寄っており、視野角は360度をカバーしています。首と尾は短く、足も他のシギと比べると短めです(☆)。林や草地、湿地などに生息し、水辺にもいますが主な生息地は、名前の由来どおり森林の中です(☆)。体の羽毛は、灰色、黒、赤褐色などの細かなマダラ模様をしており、枯草に似た保護色で、枯葉の中にいると見分けがつきません。食性は動物食で、長いクチバシを土中に差し込んで、地中のミミズや虫などを捕食します。夜行性の動物で夜行動します(☆)。管理人は、以前奄美大島を訪ねた時、ヤマシギの仲間である「アマミヤマシギ(奄美山鷸)」を観察できるとの情報を得て、夜間、探しましたが見つけることはできませんでした。「ヤマシギ(山鷸)」は、狩猟鳥ですが減少傾向にあり、狩猟が見直されています。「アマミヤマシギ(奄美山鷸)」は、絶滅危惧種Ⅱ類に指定されています。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのヤマシギの解説を参照し、一部引用させて頂いています。

撮影場所;神奈川県横浜市戸塚区舞岡町 舞岡公園 きざはしの池

撮影日;2021.1.12