東京湾に渡来する「スズガモ(鈴鴨)」の大群は、冬の風物詩。浦安日の出三番瀬の岸辺には、グループ単位で行動するも貝を捕るのに夢中で愛嬌ある顔を覗かせ。

 今年の冬は例年より寒波の襲来が激しいのでしょうか。零下を下回る日が続き、近所の畑は毎日霜の降りない日はありません。野鳥の撮影は好機到来なのですが、この寒さの中ではなかなか表にでるのが億劫になってきています。昨年から続いている新型コロナ・オミクロン株の感染数は、昨日の時点でついに五万人を越え推定の九万人が見えてきています。

 

 管理人は、移動する足が昨年暮れから年初まで無くなっておりましたが、やっとその問題が解消されました。足が戻り早速、浦安の日の出三番瀬を訪ねてきました。穏やかな東京湾には、北アメリカ大陸方面から渡来した冬のお客さんの「スズガモ(鈴鴨)」が湾を埋め尽くし、冬の風物詩となっています。浦安の日の出三番瀬は、川から運ばれるたくさんの栄養分により貝や小魚類が良く育ち、これを目当てに「スズガモ(鈴鴨)」を始めとして多くの野鳥が越冬しています。

 

 昨年は岸辺にスズガモの死骸が散見され鳥インフルの心配もありましたが、今年はそうした兆候はありません。台風の影響を受けなかったのも幸いして、日の出三番瀬の貝類は順調に育っているようです。以前にも紹介しましたが、この湾には外国航路の船舶から持ち込まれた「ホンビノス貝」が多数生育しており、渡来している沢山のスズガモ達の胃袋を満たしています。ハマグリよりも少し小ぶりのホンビノス貝、潤沢な食糧があるから「スズガモ(鈴鴨)」達は大群でも安心して越冬できているのです。スズガモは、アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部で比較的緯度の高い地域で夏季に繁殖し、冬季はヨーロッパ北部、カスピ海、中国東部、北アメリカ西部、東部に渡って越冬するとのことです。日本には冬鳥として亜種スズガモが東京湾などの海岸に渡来し、海鴨の中では最も渡来数が多いとのことです(☆)。

 

 スズガモは、オスが46センチ、メスは小さく43センチ、翼開長は74センチから80センチメートルです(☆)。オスは黒い頭で緑の光沢があり、陽の光で写真のように緑色に見えます。メスは全体に褐色をしていて、キンクロハジロのメスによく似ていて間違えることがあります。冠羽の無い方がスズガモになります。

 

 潜水しながら好物の貝類を採り、貝殻付きで呑み込んでも消化してしまう強力な砂嚢を持っているということです潜水能力が高く一分近く潜ることができ、アサリやホンビノス貝、ハマグリなどの貝類を採餌します(☆)。いったん潜ると息継ぎの場所がとんでもないところから顔を出すことがあります。名前の由来は、飛ぶときの羽音が金属的な鈴の音に似ていることから付いたそうです。日の出三番瀬には貝の中でもホンビノス貝が良く繁殖しており、「スズガモ(鈴鴨)」貝を捕った時には呑み込むまで口を大きく開け格闘しているのをよく見かけることがあります。

 

 この時期、日の出三番瀬で越冬している野鳥には、「スズガモ(鈴鴨)」の他、多い順にオオバン、ヒドリガモ、オナガガモ、ウミアイサ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリなどを見ることがてきます。運が良ければ、ビロードキンクロと出会えるかも知れません。管理人が毎回思うことは、何種類かの鴨がいるのですが、羽根休めをしている場所が例年同じ場所である、ということが不思議でなりません。GPSを持ったナビシステムのようなものです。ヒドリガモは、「スズガモ(鈴鴨)」の群れと一緒に渡来していると考えられ、昨年はアメリカヒドリの雄が確認できましたが今年は見当たりません。 

潜水が得意で、潜ってしばらくすると大きな貝を咥えて浮上してきます。メスもオスも大きな貝(ホンビノス貝 ?)を美味しそうに食べているのが分かります。

 

注)    ☆印は、Webウィキペディアのスズガモの解説を参照し、一部引用させていただきました。

撮影場所;千葉県浦安市 日の出三番瀬

撮影日;2022.1.23