今田遊水地の葦原は野鳥の楽園。5~6羽の「エナガ(柄長)」の群れもやって来て、ジッ、ジッ、ジッと囀りながら忙しく葦の梢を移動。エナガたちは、他の野鳥たちが鞘(さや)を剥いで現れた子虫を器用に採餌。

 今田遊水地の葦原は開設から4年が経ち、周囲の環境にも溶け込んですっかり定着しました。枯れた葦には鞘を剥がすと白い子虫が付いていて、それを狙って多くの野鳥たちがやって来るようになりました。オオジュリンを待っていると、5~6羽の群れがやって来て、ジッ、ジッ、ジッと囀りながら忙しく葦の梢を動いていました。

 

 「エナガ(柄長)」の生息環境は、普通木立のある林や森なので、この葦原には近くの林から来たのかも知れません。名前の由来にもなっている、長い尾がトレードマークになっている「エナガ(柄長)」ですが、野鳥の中でも小さな部類に入ります。小粒な目に小さな黒いクチバシそして黒と白を基調にして一部茶色の姿は、動き回る仕草と相まって可愛いいの一言です。「エナガ(柄長)」の体長は、13から14センチメートル(☆)ですが、尾の長さは7センチメートル程度なので、実質的な体の大きさは、尾の長さと同じ7センチメートル位しかありません。体重も5.5~9.5グラム(☆)しかありません。とても小さくて軽いのです。小さくて軽いから身のこなしが素早く撮影は大変です。 

 

 「エナガ(柄長)」の世界的な分布は、ユーラシア大陸の中緯度地方を中心にヨーロッパから中央アジア、日本まで広く分布しています。日本では、九州以北に留鳥または漂鳥として生息をしています。渡りは行いません(☆)。「エナガ(柄長)」の羽毛は柔らかく膨らみ、尾が長いため実際より大きく見えます。黒くて小さなクチバシは、7ミリ程度で丸みを帯びています。首は短く、丸い体に長い尾羽を持っており、雌雄同形、同色です。成鳥の見分けとして、瞼が黄色になります。和名の「エナガ(柄長)」は、長い尾が柄杓の長い柄に似ていることによります(☆)。江戸時代は、柄長柄杓(えながひしゃく)とか柄長鳥(えながどり)などと呼ばれていたとのことです(☆)。

 

 今田遊水地の葦原は、夏の間、スズメやシジュウカラしか見られませんでしたが、葦が枯れる冬季は、「エナガ(柄長)」を始めとして冬鳥のオオジュリンそしてメジロまで、枯れた葦に付く子虫を狙ってやって来ています。きっと美味しいのでしょうね。沢山栄養を付け、寒い冬を乗り切ってもらいたいものです。

 

注)    ☆印は、Webウィキペディアのエナガの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県横浜市泉区下飯田 今田遊水地

撮影日;2022.2.13