普段は、なかなか姿を見せない「セッカ(雪加)」が、冬のこの時期、今田遊水地の葦原で頻繁に出没、葦の鞘を剥いで白い子虫を食べたり地上にいる昆虫を食べたり大忙し。

 コロナ感染症の変異株であるオミクロン株の感染者は10万人を超えておりましたが、先週末から減少傾向に転じています。ピークから脱出できたのでしょうか。昨日行われた冬季北京オリンピックの競技は、パシュートの決勝で盛り上がりました。最後は悲運で銀メダルとなりましたが、リンクを滑走する3選手の一糸乱れぬフォームに芸術性を感じました。

 

 前回のブログでオオジュリンを取り上げた時、今田遊水地の葦原は色々な野鳥の楽園になっていることを紹介しました。引き続き、今回は枯れた葦原の葦に付く子虫を狙ってやって来る「セッカ(雪加)」について紹介したいと思います。セッカは、スズメ目、セッカ科に分類される野鳥です。全長は、13センチメートルでスズメよりも小さく、翼開長は16センチメートルです(☆)。成長した夏羽のセッカは、頭の上が褐色で、体の上面は黄褐色に黒褐色の縦斑で、体下面は淡い黄褐色をしています。尾羽は黒褐色で先端は白色、尾を広げると扇状になります(☆)。また冬羽は、頭の上も黄褐色に黒褐色の斑紋となります(☆)。

 

 繁殖期には、上空に上がり、「ヒッ、ヒッ、ヒッ、」とうるさいほどですが、普段は地味であまり目立ちません。世界的な分布は、アフリカ、ヨーロッパ南部、インド、東南アジア、中国南部、台湾、日本、オーストラリア北部に分布しています。日本は、沖縄諸島から東北地方にかけて分布しており、北日本に棲むものは冬になると暖かい地方に移動します(☆)。

 

 平地から山地の草原、ススキなどの生える河原や水田に生息し、昆虫やクモを捕食します。一夫多妻制を取り、繁殖は草とクモの巣で楕円形の巣を作り、メスを呼び込みます。繁殖期には、「ジャッ、ジャッ」や「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴きながら波線上に低空を飛翔します(☆)。

 

 「セッカ(雪加)」の特徴に少し広がった足が挙げられます。元々足が広がっているため、他の野鳥のように足をそろえて枝に止まることはできません。利点は、小型の草木などに止まる時、足が広がっているので離れている二本の草木を掴んで止まることができるのです。葦の梢に止まる時にも、広げて止まれるので安定性は良いかも知れません。野鳥撮影家たちは、大股を広げて止まる呼び方を「セッカ止まり」と言っています。地表で採餌する時は素早く動き回るため撮影は難しいのですが、葦の鞘を剥がして採餌する時などは留まってくれるので比較的撮影は楽です。

 

注)     ☆印は、Webウィキペディアのセッカの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県横浜市泉区下飯田 今田遊水地

撮影日;2022.2.12