今年も忘れず、南の国から渡来した夏鳥の「コムクドリ(小椋鳥)」。旅の疲れを癒し、桜に付いた毛虫などを採餌して栄養補給、繁殖の最終地までもう少し。

 座間市座架依橋付近の相模川堰堤道路の側道には桜並木が相模原市新戸方面まで続いており、今年は4月の初めに一斉に満開になりました。この桜のシーズンに合わせてやって来るのが夏鳥の「コムクドリ(小椋鳥)」です。この地で繁殖をする訳ではなく、渡りの疲れを癒したり桜に付いた毛虫などを採餌して栄養補給をしているものと思われます。

 

 フィリピンやボルネオ島北部など南の国で越冬(☆)していたコムクドリ(小椋鳥)ですが、今年も忘れず夏鳥として座間市の座架依橋付近に飛来してくれました。コムクドリの繁殖地は亜高山帯などの比較的涼しい環境を好む野鳥で、座架依橋には途中の立ち寄りです。知り合いの情報では30羽くらいの群れを確認できたとのことですが、管理人が観察した限り4から5羽の少数の群れにばらけているようです。

  

 コムクドリの生態は、日本の他、千島列島やサハリン南部で繁殖し、冬季はフィリピンやボルネオ島北部などに渡り越冬します。日本には夏鳥として北海道や本州北部に来て繁殖します。南方への渡りの時期には、生まれた子供を連れ立って群れも大きくなり、本州中部以南の地域で途中の立ち寄りが見られます(☆)。座架依橋に飛来しているコムクドリは、南の国で越冬していたものが渡り途中で立ち寄ったものです。やはり渡りは沢山の群れで行動しているようです。

 

 コムクドリは、体長が19センチメートルでスズメよりも大きく、オスは頭部から喉にかけてクリーム色をしており、頬に茶色の斑があります。この茶色の斑は、メスにはありません。背中から肩羽・翼は黒色で下部は淡いクリーム色をしています。背中や翼の黒色は、太陽の光の加減で金属的な色を放ち緑や紫に変化する綺麗な色を見せてくれます。採餌は、葉や果実の奥を動きますので、表に出た時に撮影すると綺麗な色のコムクドリが期待できます。桜の花とコムクドリのコラボ写真は、残念ながら桜の花弁が散って雌しべだけになってしまいました。撮影には桜が残っているのが理想的ですが、コムクドリにとっては桜に付く毛虫が目当てなので、桜の終り頃の到着が良いのかも知れません。桜とのコラボ写真は出来ませんでしたが、今回堤防に自生するクルミの木の枝に止まってくれ、土手の上からの撮影となったため見返り写真などで背面や翼などが撮影できました。陽の光に当たり緑や紫色に変化する綺麗な背中を確認できます。

 

 以前管理人は富士山の麓で、コムクドリの営巣現場を偶然に確認することができました。アカゲラかアオゲラの作った古巣を有効に再利用しており、他には樹の洞なども使って営巣します(☆)。平地から山地の明るい開けた林に生息するとのことで、渡りは群れで行動しますが、繁殖期はつがいで行動するとのことです(☆)。富士山の麓でも夏が終わり頃になると、コムクドリが群れになって活動しているのを良く見かけます。

 

※座架依橋周辺の側道は、砂利採掘の大型ダンプが頻繁に往来します。撮影に当たってはマナーを守り、声を掛け合って交通には十分注意しましょう。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのコムクドリの解説を参照し、一部引用しています。 

撮影場所;神奈川県座間市 座架依橋周辺 堰堤桜並木

撮影日;2022.4.12