相模川堰堤の桜並木の数本に熟したサクランボがたわわに。留鳥の「ムクドリ(椋鳥)」は、甘くて美味しいサクランボが大好き。熟れた赤い果実を遠慮がちに脇からもぎ取り、首を伸ばし口全開で一気に呑み込み。

 今日、5月8日は母の日、大型連休も最後の日となりました。小さな子供のいる家庭では、海に山に出掛けられたことでしょう。座架依橋付近の相模川堰堤桜並木には、今年も夏鳥のコムクドリが立ち寄り羽休めをしています。その桜の数本にはサクランボの実をつける木があり、野鳥たちは熟れ頃の果実を求めて次々と群れになり襲来しています。

 

 何時の間にか熟れ頃になったサクランボ、野鳥たちはこの甘いフルーツが大好物です。観察をしているとサクランボの実を求め、留鳥のムクドリやスズメ、カラスそして渡り途中のコムクドリなどが来ています。スズメやカラスは一羽単独なのにムクドリやコムクドリは群れで押し寄せます。彼らは複数羽で来てサクランボが成る枝に散らばり、足を掛けながら首を横から伸ばし、もぎ取るやサクランボを真上に咥え、口を全開にし瞬時のうちに呑み込んでしまいます。数回この動作を繰り返すと一気に飛び去ってしまいます。まさに電光石火、引き際も良く襲来の表現がピッタリです。なお、ムクドリの中にはその場で食べずに咥えたまま持ち去る輩もいます。

 

 コムクドリとムクドリは、群れでサクランボに来ていますが、観察しているとコムクドリは警戒心が強く木の密集部分を目掛けてやって来るのに、ムクドりは木の天辺から舞い降りる傾向があり、天辺に顔を出すコムクドリの撮影は根気と忍耐が必要で、かなり難易度が高いと感じました。今回紹介するブログでは、サクランボの果実を採餌する「ムクドリ(椋鳥)」に焦点を当てることとしました。

 

 「ムクドリ(椋鳥)」は、中国、モンゴル、ロシア東南部、朝鮮半島、日本などの東アジアに分布します。日本国内では、ほぼ全域に分布しています。留鳥で北部のものは冬は南部に移動します。低地の平野や低山地にかけて広く生息し、都市部などの人家付近や田畑などでも見ることができます(☆)。全長は、24センチメートルでツグミなどと同じ大きさです。翼と首及び胸部は茶褐色で首から頭部と腰の部分に白い部分が混じります。足及びクチバシは、黄色です。雌雄でやや色合いが異なり、胸や背、腹が黒いのはオス、褐色に近いのがメスになります。

 

 「ムクドリ(椋鳥)」は、雑食性で植物の種子や果物、虫の幼虫などを好んで食べます。地面に降りて歩いて虫などを探すこともあります。熟した柿や今回紹介しているサクランボの実を食べ、椋(むく)の種子などを好んで食べます。椋の種子は乾燥すると食用になり、味は甘いようです。「ムクドリ(椋鳥)」の名前の由来になっています。繁殖期は春から夏で、この時期からつがいで行動します。木の洞や人家の軒先などの穴に巣作りします。ヒナが巣立つと親子が集まって群れを形成し、夜は一か所に集まりねぐらを作ります。非繁殖期は数万羽の群れになることもあるそうです(☆)。鳴き声は綺麗なものではなく、「ギャーギャー」「ギュルギュル」などと鳴きます。

 

 「ムクドリ(椋鳥)」たちの大好きな、スィーツフルーツ。春のサクランボに始まり、周辺の農家には秋に熟した柿の実があります。座架依橋周辺の「ムクドリ(椋鳥)」たちは、幸せです。これからペアリングができると群れから番(つがい)での行動となり、やがて巣作りが始まります。相模川の河川敷は、雛が育つには充分な食糧があります。元気な子供を育て、来年桜の季節には子供と一緒に顔を見せて欲しいと願っています。

 

注)     ☆印は、Webウィキペディアのムクドリの解説を参照し、一部引用しています。 

撮影場所;神奈川県座間市  座架依橋周辺相模川堰堤桜並木    椋鳥のオス;上段左側     同メス;上段右側

撮影日;2022.5.07