平塚の休耕田に今年も渡来した、旅鳥の「エリマキシギ(襟巻鷸)」。先に羽根休めしていた「セイタカシギ(背高鷸)」を追いかけ、仲良く採餌。

 台風が去り、これまでの猛暑が嘘のような涼しい気候に変わってきました。8月は鳥枯れが続き、ブログ記事の掲載が困難でした。9月からは渡りのシギチ類の立ち寄りが始まり楽しみです。朗報は、ムロさんの掲示板に掲載された今田遊水地にセイタカシギ逗留の情報です。今田遊水地は広いので、これからも多くのシギチが立ち寄って欲しいものです。

 

 掲示板を見て今田遊水地を訪ねましたが残念ながらセイタカシギは台風が収まり違う場所に渡って行ったようです。遊水地が空振りでしたので、平塚の休耕田を訪ねて見ました。到着して、休耕田の上空には15~16羽の群れが鳴き声を上げながら旋回を繰り返し、そのうちの数羽だけ降りて来て一羽を残して再び飛び去りました。この群れは、「エリマキシギ(襟巻鷸)」だったようです。この休耕田にはすでに「セイタカシギ(背高鷸)」が入っており、両方のシギが仲良く採餌するところを撮影することができました。今回、改めて「エリマキシギ(襟巻鷸)」の生態についておさらいしたいと思います。

 

 「エリマキシギ(襟巻鷸)」は、ユーラシア大陸の北部から北極圏にかける高緯度地域の湿地帯や牧草地で繁殖しています。また、ロシア中部で繁殖する個体もいます(☆)。冬季は、地中海沿岸からアフリカ、インド、オーストラリア南部などに渡り越冬し、日本は、渡りの通過点で、旅鳥として春と秋の2回、少数の立ち寄りが観察されます(☆)。渡り先は、オーストラリア方面でしょうか。冬羽根と夏羽根があり、春の渡りでは襟巻が生えかけた夏羽根のオスを見られることもあるようです。秋の渡りしか見たことがなく、春の渡りで是非とも夏羽根の「エリマキシギ(襟巻鷸)」を見たいものです。

 

 体長は、オスが約29センチメートル、メスはやや小さく22センチメートルです。他のシギと比べると首がやや長いのが特徴です(☆)。繁殖期のオスは首周りに襟巻が生え出し、これが「エリマキシギ(襟巻鷸)」の名前の由来です。この襟巻はメスへの求愛行動時に大きく広げ、他のオスと競い合いをします。また、体色は、褐色、黒、白など色々な模様に変身します。子育てはメスだけが行います(☆)。日本に渡来時は、干潟や休耕田で生息し、甲殻類やゴカイ、昆虫類を捕食します(☆)。越冬地に向かう「エリマキシギ(襟巻鷸)」は群れで行動するだけでなく、単独の場合もあり、立ち寄った一羽の エリマキシギ(襟巻鷸)」は警戒心が強く、セイタカシギの後をつかず離れずで行動し、近くには寄ってくれませんでした。

 

 

注)  ☆印は、Webウィキペディアの「エリマキシギ」を参照し、文の一部に引用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市小鍋島 休耕田

撮影日;2022.9.21