天竜川の源、諏訪湖の釜口水門付近は、冬鳥の「ホオジロガモ(頬白鴨)」が20羽以上の群れで飛来、豊富なワカサギに大満足。大きな群れも一糸乱れぬシンクロダイブで忍者のように一気に消失し、観察者を困惑。

 長野県岡谷の勝弦峠を訪ねました。狙いは、昨年振られてしまったオオマシコやイスカに会うことでしたが、残念ながら今年も出会いはありません。諏訪湖は、ワカサギ釣りで人気のスポットですが、魚類の好きな冬鳥たちもたくさん渡来しています。昨年は5羽程度しか見なかった「ホオジロガモ(頬白鴨)」ですが、一気に増え20羽以上はいるでしょうか。

 

 これまで「ホオジロガモ(頬白鴨)」は、単独か数羽程度しか観察できませんでしたが、今回のように大群で見れるのは大変な感激です。天竜川の源流ともなる諏訪湖の釜口水門には、この冬を越冬する冬鳥たちがたくさん押し寄せて来ています。昨年、長野県の資料をもとに、諏訪湖には日本にやって来る「カワアイサ(川秋沙)」の一割(600羽)が越冬していることを紹介しました。大群で押し寄せるのは、越冬中の食糧事情が安定しているからこそです。この「カワアイサ(川秋沙)」、ワカサギも食しますが、大型の外来魚も食べてくれるとのことです。大きな体なので、大きい魚も好んで食べてくれるようです。ところで、「ホオジロガモ(頬白鴨)」は潜水して食べもの探していますが、獲物を咥えて水面に浮上することがないのです。好物は、甲殻類か貝類の他に小魚も食べるようです(☆)。

 

 「ホオジロガモ(頬白鴨)」は、北ヨーロッパからシベリア、カムチャッカ迄のツンドラ以南の森林やウスリーで繁殖し、冬季は地中海、ペルシア湾、日本、中国、朝鮮半島などで越冬するタイプとアラスカ、カナダなどで繁殖し、アメリカ中部などで越冬するタイプの二つのタイプに分けられます(☆)。我が国へは、北日本に多く飛来し、本州中部以南には観察されていないとのことです(☆)。

 

 「ホオジロガモ(頬白鴨)」成鳥の雄は、全長が46センチメートルあり、体の割りに頭部が大きく見えます。成鳥の雄の頭部は、緑色の光沢がある黒色で頬の前面に白い白斑があります。この白い頬が和名の由来になっています。背中は黒く、胸、腹、尾羽は白色です(☆)。4月~6月にかけてが繁殖期で、繁殖期は森林帯の川や湖沼に生息します。越冬時は群れを作り、内湾や港など波の静かな海域に生息します。河口や内陸の湖沼に入ることもあります。潜水して甲殻類やイカ、貝類、魚類を捕食します(☆)。

  

 「ホオジロガモ(頬白鴨)」は、警戒心の強い野鳥で常に群れになって行動しています。水門の放流口近くは池のように水がありますが、水鳥の種類によってテリトリーが出来上がっています。「ホオジロガモ(頬白鴨)」は、池の中央付近に位置しており、川の流れに逆らうように泳いでおり、監視役の一羽が潜水すると次々と潜ってしまい、大群があっという間に消失してしまいます。次に出る場所を概ね見当をつけていますが、とんでもない所に浮上することがあり面食らってしまいます。

 

 注)   ☆印は、Webウィキペディアのホオジロガモの解説を参照し、一部引用させて頂いています。 

撮影場所;長野県岡谷市釜口水門付近

撮影日;2022.12.06~08