今年は、珍鳥の当たり年 ? 北アメリカから迷って飛来したか ?♂の成鳥「ヒメハジロ(姫羽白)」が一羽、オオバンの群れに混じり越冬。白い後頭部とお腹がチャームポイント。黒色の頭が光の加減で、緑や青、紫色に美しい光沢の変化が。

 今年は、珍鳥の当たり年でしょうか。渡来して来た方角は全く逆ですが、先月の「サバクヒタキ(砂漠鶲)」に続いて北アメリカから迷って飛来したものか、雄の成鳥「ヒメハジロ(姫羽白)」が一羽、東京都下のとある市境を流れる多摩川で、オオバンの群れと一緒に越冬をしています。

 

 鳥仲間から頂いた情報で知りましたが、水鳥など鴨の図鑑を見てもこの「ヒメハジロ(姫羽白)」は紹介されていません。繁殖地の北アメリカなどでは普通に見られる野鳥と思われますが、ウィキペディアの「ヒメハジロ(姫羽白)」の解説を参照しても我が国への渡来は稀とのことです。野鳥観察を続けていても滅多に撮れない野鳥であり、11月の「サバクヒタキ(砂漠鶲)」に続いて観察できるのはラッキーです。飛来している、「ヒメハジロ(姫羽白)」はオスの成鳥で、単独で渡来しており、オオバンの群れと一緒に行動しています。とある市の境界は、多摩川の流れの中心に設定されています。多摩川は河川の氾濫を防ぐため堰堤が設けられ、その堰堤を降りると水面より高い河川敷は、多目的の運動公園として活用されています。川に沿って通路がありますので、そこから水鳥の活動を観察することができます。「ヒメハジロ(姫羽白)」は、多摩川の中心より手前にいるため、撮影地はとある市と言うことでしょうか。

 

 「ヒメハジロ(姫羽白)」の分布や形態、生態について、Webのウィキベディアの解説を参照して管理人なりに紹介したいと思います。先ず分布ですが、北アメリカの北部で夏季に繁殖し、冬季はアラスカ南部からアメリカ西部、南部に渡り越冬します(☆)。我が国には稀に冬鳥として少数が飛来してくることがあり、過去には北海道や岩手県、茨城県で観察されたことがあるとのことです(☆)。

 

 「ヒメハジロ(姫羽白)」の全長は、32~39センチメートル、翼開長が54~61センチメートルです(☆)。オオバンの全長も同じ寸法ですが、オオバンよりも小さく感じます。これは「ヒメハジロ(姫羽白)」の尾が沈んで見えないためで、尾を含めれば同じくらいの大きさになります。日本に渡来している海がもでは最小の部類に入り、その形態は、雄の成鳥の場合、頭部は黒色で光の具合によって緑色や青色、紫色の光沢が混じって見えます(☆)。目の後ろから後頭部にかけては白色で背中と外側の肩羽は黒色、胸から下尾筒にかけては白色をしています(☆)。雌の成鳥は、頭部が黒褐色、頬に楕円の白斑があります。頚、胸、背中は、黒褐色で、体の下面は灰褐色になります(☆)。クチバシは灰青色、足は白みがかった桃色です(☆)。

 

 最後に繁殖などの生態について、繁殖期の顔は頭の羽毛をふくらませたり、頭を背に倒したりする求愛ディスプレイを行います。食性は動物食で、ホシハジロなどと同様水中に潜って甲殻類や軟体動物を捕食します(☆)。捕食そのものは潜ったままで行うようで、今回観察していても採餌するシーンは見れませんでした。繁殖は卵生で水辺近くの樹洞で営巣します(☆)。巣は繰り返し使用し、8~9個の卵を産み抱卵日数は30日間です(☆)。樹洞で営巣するのはもオシドリに似ています。雛たちは高い木から飛び降りてくるのでしょうね。越冬時の生態は、内湾や河川の河口、大きな湖沼などに生息して冬を越します(☆)。観察した「ヒメハジロ(姫羽白)」は、オオバンの群れと一緒に行動していて川岸には殆ど近寄らず、川の中ほどで行動しています。沢山のカメラマンたちの視線を感じるのでしょう、危険を察知するといきなり飛び出し場所を変えてしまいます。川の流れの中には、オオバンの群れの固まりがあり、そこを目掛けて飛んでいるようです。越冬が終われば広い太平洋横断をして北アメリカに戻らなければなりません。餌をたくさん食べて体力をつけ、広い海を乗り切る飛翔に備えて欲しいものです。

 

注)    ☆印は、Webウィキベディアからヒメハジロの解説を参照し、一部を引用しています。

撮影場所;東京都下 多摩川

撮影日2022.12.12