戸塚の杜の舞岡公園は野鳥の宝庫。冬鳥の渡来する中にサハリンから渡りで迷ったか、「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」が小さな池で枯れた草の実を餌に、アオジ達と仲良く♂♀で越冬。

 今日は、寒波の影響で朝から風が冷たく野鳥撮影は大変な一日でした。久し振りに電車を乗り継いで、戸塚区の舞岡公園を訪ねました。この公園には、毎年たくさんの冬鳥が訪れ、野鳥撮影家には人気のスポットです。特にヤマシギの撮影スポットとして良く知られています。

 

 今回訪ねたのは公園の入り口にあたる「瓜久保の家」から小道を奥に進んだ「カッパ池」と言う場所になります。池の突き当りにはカッパのモニュメントがあり歓迎をしてくれます。管理人が訪ねた時、カメラマンは少なく情報は余り知れ渡っていないようでした。池を一周していると一人のカメラマンが原っぱの上にレンズを向けてシャッターを押しているのが確認できました。すぐ藪の中に隠れてしまい、管理人は確認できませんでしたが、到着するや目標野鳥に出会えてラッキーでした。暫くじっとしていると、近くの枝の上からアオジの囀りが聴こえてきます。池の周囲は水がなく実を付けた枯草が残り、その実を求めて4~5羽のアオジの群れが枝から飛び降りてきます。

 

 実は、「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」と「アオジ(青鵐)」の区別はなかなか難しいのです。日本野鳥の識別図鑑で野鳥の名前を教えてくれるコーナーがありますが、その中でアカヒゲさんは「シベリアアオジに出会ったときの参考に」と4つのヒントを教えてくれています。①アオジ♂に比べて頭部の色合いは緑色味が無く青灰色に見える。②喉から胸も頭頂部同様に青灰色で、喉元の黄色味がない。(淡い黄色で白色に見えます)   ③体の下面はアオジの黄色に比べて薄くレモン色。 ④ 下尾筒付近は、黄色味を感じず白く見える。以上が「アカヒゲ」さんが教えてくれる違いの識別方法です。「アカヒゲ」さんは、♂を比べたものですが、♂♀共に頭部や胸にかけて緑色味がなく体下面の黄色味が淡いのが、「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」です。大きさは「アオジ(青鵐)」と同じ、14~16.5センチメートで、♂の方が大きく♀は一回り小さめです。また♀は、くすんだ茶色で全体的に縦縞があり、小さい分動きが早く追いかけるのが大変でした。

 

 「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」は、中国やサハリンを繁殖地としており、インドシナ半島で越冬します(☆)。日本には立ち寄ることがなく、渡りのコースを外れた珍しい「迷鳥」です。見た目は、「アオジ(青鵐)」とよく似ていますが、良く見ると色がアオジと比べて緑色味が無く、体下面の黄色味も淡いので直ぐ分かります。是非、挑戦されることをお勧めします。

 

注)   ☆印は、Webウィキペディアのアオジの解説を参照し、一部引用しています。「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」の識別では、記事№10856、アカヒゲさんの「シベリアアオジに出会ったときの参考に」を参考といたしました。

「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」の♂

「シベリアアオジ(西比利亜青鵐)」の♀