横浜市旭区の大池公園(こども自然公園)は、都会の中の野鳥の楽園。今季も沢山の冬鳥たちが越冬中。その中で留鳥の「コジュケイ(小綬鶏)」はひときわ大きな鳴き声を森の中に轟かせ、存在感をアピール。

 相鉄の二俣川駅から近い、横浜市旭区の大池公園は今年も珍しい水鳥のクビワキンクロが、キンクロハジロの群れに混じって越冬をしています。寒さで大池に氷が張り、一時避難をしていましたが戻ってきたということです。毎年見られるので、興味を失っていますが、珍鳥であることは間違いありません。大池で確認されてから3年連続の飛来です。

 

 昨日は、久し振りにこの大池公園を訪ねました。通称の大池公園は、正式に「こども自然公園」と言いますが、管理人には大池公園の方が周囲の地名と併せて親しみやすさを感じています。公園の周囲に大きな駐車場が用意され、車で来るのも良し、また相鉄線の二俣川駅や南万騎が原駅にも近く、歩きでも来園できる便利の良さです。周辺は住宅街が密集していますが、谷戸に広がる都会のど真ん中の野鳥の楽園です。

 

 今回取り上げたい野鳥は、どこにでもいる「コジュケイ(小綬鶏)」です。管理人は野鳥を撮影し始めてから8年目に入りますが、この「コジュケイ(小綬鶏)」、満足に撮影したことがありません。実は「コジュケイ(小綬鶏)」を狙って撮影するのではなく、出たからついでに「撮影できた」と言う野鳥なのです。轟きわたるように、大音量で鳴き囀る声をよく耳にしますが、姿はなかなか現しません。最初に確認できたのは舞岡公園で、ヤマシギを撮影するため狙っているところに、「コジュケイ(小綬鶏)」の群れがきたので撮影することができました。

 

 野鳥の名前の付け方は色々ありますが、「コジュケイ(小綬鶏)」と言う野鳥の和名はどのようについたがご存じでしょうか。中国の固有種で、「ジュケイ(綬鶏)」と言う野鳥がいます。「コジュケイ(小綬鶏)」より一回り大きく、オスは全長が61~70センチメートル、メスはオスより小さく、50から53センチメートルの大きさです(☆)。「コジュケイ(小綬鶏)」と言う名前を付けた人は、「ジュケイ(綬鶏)」よりも小型なので「コジュケイ(小綬鶏)」と呼んだとのことです。また、ジュケイは、「綬」と「鶏」と言う字でできており、「綬」は、官職と官位を表す紐の色を指すようです。この「ジュケイ(綬鶏)」中国では保護区でのみ生息し、絶滅の危機とか。

 

 「コジュケイ(小綬鶏)」の分布は、中国や日本に生息しており、全長は、27センチメートルで、額から眼上部にかけて灰色の眉状の筋模様が入っています。背中は暗褐色や灰色の虫食い状の斑紋があり、下面の羽衣は黄褐色で胸部は暗褐色の斑紋があります。尾羽は、濃赤褐色です(☆☆)。標高、1,000メートル以下の草原や森林、竹林、農耕地に生息します。秋季から翌年の春季にかけて小規模な群れを形成します(☆☆)。「チョットコイ」「チョットコイ」と鳴くことから「警官鳥」などとも呼ばれます。

 

 今回、公園中央の大池を通り過ぎ田んぼの広がる谷戸奥まで行きましたが、その小道で偶然に7羽の「コジュケイ(小綬鶏)」が群れで採餌しているのに出会いました。こんなに間近に確認でき、近くで撮影できたのは初めての経験です。一羽だけだと警戒心が強いので逃げてしまいますが、仲間がいて安心なのか時間を掛けて採餌してくれました。大きさも揃っているので兄弟なのかも知れません。奥まて続く小川には、沢山の野鳥が水飲みに来ており、青色の貴公子、ルリビタキやクロジなども見られました。

 

注)  ☆印は、Webウィキペディアのジュケイの解説を、☆☆印はコジュケイの解説をそれぞれ参照し、一部引用しています。

 

撮影場所;神奈川県横浜市旭区大池町  こども自然公園(大池公園)

撮影日;2023.2.16