昨年は渡来しなかった「ヒレンジャク(緋連雀)」が、今年(2023)の春は各地iに飛来を確認。ここ平塚の里山も桜の樹上に寄生する宿木の果実が熟し、緋連雀たちの立ち寄りを大歓迎。

 昨年は「ヒレンジャク(緋連雀)」の渡来数が少なく出会いがありませんでしたが、今年の春は繁殖地であるシベリアなどで十分繁殖したのでしょう、各地で飛来が確認されています。毎年決まった場所に渡来してくれますので楽しみな野鳥ですが、年によって全く出会いがないこともあります。

  

 「ヒレンジャク(緋連雀)」は、平安時代の古くから「連雀(れんじゃく)」や「唐雀(からすみ)」などの名称で知られていたようです(☆)。そのレンジャクに黄色と赤色の個体があるとして区別されたのは、江戸時代の中期からとのことです。和名である「ヒレンジャク(緋連雀)」は、赤色である「緋(ヒ)」と「連雀(レンジャク)」という二つの文字からできています。この野鳥を一回でも撮影した方は、この野鳥が常に群れで行動し、樹木の枝に止まる際には、スズメ(雀)が連なって止まるようにして休んでいる光景を良く目にします。和名の由来はここから出ており、管理人は何年か前、平塚市のある商店街の街路樹の果実に「ヒレンジャク(緋連雀)」の群れが大集合し、電線の上で休む「ヒレンジャク(緋連雀)」の群れが圧巻であったことを思い出します。

  

 「ヒレンジャク(緋連雀)」の分布は、シベリア東部、中国北東部のアムール川・ウスリー川の流域で繁殖し、冬季は日本の他、サハリン、朝鮮半島、中国南部、台湾などで越冬します。繁殖の環境条件が変わるためなのか、毎年の飛来数は異なります。日本には11月~5月にかけて逗留し、東日本ではキレンジャクが多く、西日本ではヒレンジャクが多い。また、越冬地は、低地や丘陵地の開けた森林や農地などとのことです(☆)。

 

 ヒレンジャクは、体調が18センチメートル、翼開長は、約29センチメートルあり、オスとメスは同色で殆ど見分けがつきません。全体的に赤紫がかった淡褐色をしており、顔はやや赤褐色みを帯びていて、尖った冠羽と冠羽の縁まで伸びる黒い過眼線と黒いノドが特徴です。黒いノドは、メスの場合、境界がはっきりしません。この他、次列風切は灰色で先の方は黒色をしており、先端部は赤色をしています(☆)。

 

 日本に渡来する冬の非繁殖期は、主に果実類を捕食し、ネズミモチ、ニシキギ、ヤドリギ、ノイバラなどの果実を採餌します。繁殖期である夏の間は、主に昆虫類を食べます。また、非繁殖期のヒレンジャクは、数十羽の群れで行動するとのことです(☆)。その鳴き声は、「ヒーヒー」「チリチリ」と鳴き、囀りはありません。ヒレンジャクを観察していると、水飲みの回数の多さに驚きます。水を飲んでいるときのヒレンジャクは本当に幸せそうに見えます。水飲み場が分かればそこで待っていると水飲みの良いシーンが期待できます。

 

注) ☆印は、Webウィキペディアのヒレンジャクの解説を参照し、一部引用しています。

撮影場所;神奈川県平塚市土屋  びわ青少年の家付近

撮影日;2023.3.10

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コメント: 2
  • #1

    徳家美知子 (月曜日, 20 3月 2023 17:43)

    何の実ですか?とこで見られますか?ずーとみられますか?

  • #2

    鳥の響宴管理人 (火曜日, 21 3月 2023 03:59)

    徳家 様

    宿木(やどりぎ)と言う桜に寄生する木があり、その果実です。この宿木は桜の木の上にできています。どちらが先か分かりませんが、取り上げているヒレンジャクと言う野鳥の「糞」が媒介して宿木ができます。滞在地の宿木の果実を食べ尽くすと移動してしまいます。神奈川県内は、3月一杯くらい逗留していると思います。